有閑堂

オカルト好きのブログ

映画「ALWAYS」 スティーブン・スピルバーグ監督

1989年に制作された映画だけど、初めて観たのはなんと昨日だったりする。

主人公は主に山火事などの消火活動を上空から行う消防飛行士?の仕事をしている男。

その男が消火活動中に事故死したところからストーリーは始まる。

死んでからあの世に行き、オードリー・ヘプバーン扮する天使?守護霊?のような

者と出会い、この世に再び舞い戻り、他人の為に守護霊的な役目をするように言われる。

 男には飛行士仲間の恋人がいて、心から愛していても素直に気持ちを表現できなかったために

微妙に心がすれ違ったまま彼は逝ってしまった。


 彼は自分の飛行テクニックをある消防飛行士の卵に伝える・・と言っても姿を見せる訳ではなく、

その消防飛行士の卵のインスピレーションとして伝えていく(その影響なのか、飛行スタイルや素質も

かなり似ていたりするのだw)。

 インスピレーションを受けている本人はなんとなく自分でふと思いついたような気になっているだけ

で、よもやパイロットの指導霊がついているなんて知る由もない。

 この映画に出てくる消防飛行士の恋人、同僚の飛行士を含め、生きている人々は

全員彼の姿は全く見えていないし、彼も自分の存在を

映画「ゴースト ニューヨークの幻」の主人公のように霊媒に頼んで存在をアピールすることも

なければ、コインを動かす練習もしないw ただ、独り言を言いながら

インスピレーションを与え続けるだけだ。


 いまだ死んだ恋人を忘れることができずにいる女と偶然再会(といっても相手は全く気づいてない)し

静かに見守るが、彼女に新しい運命の男(それは指導しているパイロットの卵なのだ)が現れる。

 死んでもなおジェラシーに苦しむ男に天使は「自分が自由になるためには相手も自由に解き放ってあげ

なければならない」と説く。


そして ある出来事がきっかけとなり、ようやく自分の愛する気持ちを彼女に伝え

(でも恋人は最後まではっきりとは知覚できない)、彼女のこれからの幸せを強く願いながら

彼に課せられた試練と使命を終える・・というストーリーはいたってシンプル。


この手の映画は 大抵死んだ者の姿がおぼろげながらでも見えたりするものだけど、

この作品には霊が見えるシーンは殆どなく、誰もまったく気づかない。そこがかえってリアルに感じた。

欧米の人が作る映画だし、宗教色の強い霊的世界を描いた映画なのかとてっきり

思いきや、霊と言っても「元」人間で、ジェラシーも感じるだろうし

霊となっても指導霊に教えられながら越えるべき試練はある・・

実はスピルバーグは今風に言えばかなりスピリチュアルな映画を創ったのね。

所謂「大我」と「小我」をとても上手く扱ってる映画だと思う。


また、後にユニセフ親善大使の仕事を天職とする

オードリー・ヘプバーンが最後の出演映画に選んだのも偶然ではないのかもしれない。