新しい職場には読書好きな人がいて、その人は村上春樹を愛読しているそうだ。
その人とは逆で本をあまりというか殆ど読まない私は
大昔に初めて読んだ村上春樹の「羊をめぐる冒険」で挫折した青く苦い過去を話すと、
じゃあ短編読めば?と
「東京奇譚集」を薦められた。
うーむ短いとはいえ、文学やら音楽、芸術がわからない俗っぽい私が果たして
最後まで読めるだろうかと思いつつ表紙を開く。
冒頭に「これは本当にあったこと」だというような文章がある。へぇ 実体験なのか
どれどれと読み始めた。すると
この本は全体を通して
「シンクロニシティ」をテーマとして描かれてあるのに気づく。
お、久しぶりの村上春樹でここでもシンクロニシティネタとはねぇ・・なんか続くなw
この本には
シンクロニシティといっても運命が変わってしまうほどの物凄いものはない、
これが起こったからと言ってだからどうだということでもなく、平凡な人生にほんのちょっとだけ
アクセントがつくくらいで営んでいる日常生活にも何も影響しない。
誰にでも数え切れないほど
そういう偶然の一致はあるけれど、それをキャッチして自分の人生の中で何らかの形で生かすか
そのまま気づかずに通り過ぎるかの差だけ・・みたいなことが。そうそう、それだよ。
天下の村上春樹のシンクロニシティもそんなもんなのかw
で、内容ですが・・やっぱりまんま体験談(自分or知り合い)じゃないよね・・
ほん怖じゃあるまいし、べたーっと村上春樹が書くわけないわなw
これは実体験談だみたいな前書き書いとくもんだから
素直な私は村上氏の体験or周辺から聞いた話なのかとつい思ったんだけど
ここからもう話が始まってたのね、、、しっかり乗せられましたやんw
どこかの一部分では元ネタの破片はあったかなとは思いましたが。
都会的なお洒落で綺麗な文章で、シンクロニシティやその他ありそうななさそうな?不可思議な話が
村上氏が愛する音楽とともに描かれています。
読みやすかったので、今度は一気にゴールまで辿り付けた。
ちょっとは「羊」で作ってしまった苦手意識は解消できたかな(苦笑)