有閑堂

オカルト好きのブログ

上海の伯爵夫人

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3月の上旬に手に入れたDVDが積ん読状態になっていたのを

やっとこさ観る気になった。

何度も何度も商品を見ていたものをやっと手に入れたのに、観るまでに

時間がかかるのは面倒がりなのか、手に入れることで

満足してしまっているからかどっちなんだか自分でもわからんわ。


観たのはジェイムズ・アイヴォリィ監督の「上海の伯爵夫人」。

この監督の撮る映画の雰囲気が好きなのよ。

脚本が「日の名残り」「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロ。

二冊しか読んだことないけど、小説だけじゃなくて脚本も書かはるのね。

主演はレイフ・ファインズで準主役?でこのストーリーではかなり重要な役どころで

真田広之が出ていた。



第二次大戦直前の上海という異国の地で暮らす異国から来た人々

事故で光と娘を失ってしまった元敏腕外交官で

手に入ったあぶく銭で夢のキャバレーを持とうとするイギリス人、

いつかはこんな生活から抜け出したいと願いながらも家計のためにホステスとして働く

ロシアの亡命没落伯爵夫人とその一族・・心に傷を抱えた人々の

人間模様を描いたストーリーで、派手な演出はない全体的に抑えた大人の雰囲気の映画だった。

最後まで静かに内に秘めた感情を抑えた演技なのは日の名残りに似た雰囲気かな。

舞台がキャバレー(ナイトクラブ?)なんだけど、衣装やセットがどことなく品があっていいわ

この監督のちょっと昔の時代のコスチュームプレイは本当に素敵。


元外交官と外交官にスカウトされて雇われるロシア亡命貴族の女性の労使を超えた

静かな心の交流がメインだけど、

男性の監督なのに、主人公の女性とその娘、彼女の一族(みんな女性!)の描写が

上手くて、女同士はやっぱシビアだわと思わせられます。

あとで調べたら、主役の女性はヴァネッサ・レッドグレイヴの娘だし、ヴァネッサも老境に入った

叔母の役で出ているし、その他身内の主な役はレッドグレイヴ一家で占めていた。

女の身内同士のえげつなさの表現が自然なのはそのせいかw


このDVDを手に入れてから10日後に主役の女性を演じたナターシャ・リチャードソン

が不慮の事故で亡くなっていた。

検索途中でみつけた葬儀の時の憔悴しきった母親のヴァネッサの写真が痛々しい。



DVDの最後におまけでついていたのが、

TVドラマ「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」の第1話だった。

主人公の女性は実在する人なんだって。


・・うーむ。

締めはやっぱりオカなのね。