有閑堂

オカルト好きのブログ

粒よりな話 その2

続きです
 
380 名前:アラサー女 EgHTFQZo3s 投稿日:2011/12/17() 11:50:32.81 ID:bGzC+LMLP
おはようございます。
>>378 続き)
さて、霊験あらたかな評判で繁盛した滋賀のお寺なんですが、突然大事件に見舞われ
ます。皆様お待ちかねの結末ですよ。そのような悪辣無法を許してなるものか、って
ね。お寺は放火されて全焼しちゃったんです。

そして、お坊さんは放火殺人犯の容疑で逮捕投獄されてしまったのです。もちろんその
容疑は誤りで実は無実なんですが、誰にも信じていただけなかったんです。何が起こっ
たんでしょうかね。いや信じていただけないのも当然で、こんなことがあるものなんで
すねぇ。
381 名前:アラサー女 EgHTFQZo3s 投稿日:2011/12/17() 12:08:22.12 ID:bGzC+LMLP
その放火に至る経緯がまことに斜め上でして、放火の真犯人は女性でした。
実はその犯人さんはお坊さんに惚れちゃったんですね。
お坊さんを自分のものにしたくてたまらない。だけどお坊さん、その女性が嫌だったんですね。

女性はしょっちゅうお寺を訪ねてきます。お坊さんは避けますね。そうすると
だんだん泥沼ですよ。泣くわ喚(わめ)くわすすり泣く。もうほとほと手を焼
いてしまいます。出入り禁止を告げますがそんなことで効果はありません。
電話攻撃、門前攻撃、攻撃方法はいろいろありまして止めようがありません。

これがヤクザ紛(まが)いさんなら暴力で有無を言わさずということもあるんで
すがお坊さんですからそんな手段も取れません。頼みの綱はお不動様ですね。

しかしいつもは霊験あらたかなお不動様も今回の問題に関してはウンともスンとも
手応えがなかったようです。ほとほと困り果ててしまいます。
382 名前:アラサー女 EgHTFQZo3s 投稿日:2011/12/17() 12:18:36.44 ID:bGzC+LMLP
そしてある日ただならぬ様子の女性を彼はお寺に上げます。
しかし女性はそのときとんでもない覚悟をしていたのです。一緒になってくれない
のなら、私は死ぬからあなたも一緒に死んでくれと言い出したのです。そしてお寺に
火を点けて包丁を出して自分の胸を一突きしたのです。

ガソリンか灯油でも撒いたのでしょうか、火はたちまち燃え上がって手のつけようが
なくなり、女性は悶絶して目の前で死んで行きます。お坊さんはあまりの事態に錯乱
してしまいました。そして燃える火の中、無意識のうちに女性の包丁を取り上げて
自らの腹に突き刺してしまったのです。

やがて消防車が駆けつけ、火の中に倒れているお坊さんは救助されました。しかし事件
の犯人は誰がどう見てもお坊さんしかあり得ません。お坊さんは逮捕されてしまいました。
383 名前:アラサー女 EgHTFQZo3s 投稿日:2011/12/17() 12:24:59.76 ID:bGzC+LMLP
「兄ちゃん、儂(わし)あの時どうしてあんなことしてしもたんやろなぁ」お坊さん
は弟に呟(つぶ)いたそうです。
「気が狂たんだろわね」
「そうやなぁ。気が狂たんやなぁ」
そんな会話をしたそうです。

お坊さんの陳述を取り上げる人は誰もなく、お坊さんは放火殺人犯として服役したの
でした。そして出所すると、旅荷物を入れた乳母車を押して四国霊場巡礼に出たのです。

数年後、弟はまたこのお坊さんと顔を合わせたそうです。
さらに続きます