立花隆のことはルポルタージュを書く人くらいの知識しかないし、彼の本は殆ど読んだことが
なく(とほほ)、ほとんど知らない状態でバーバラ・ハリスの臨死体験の本を読んだ。
立花隆が翻訳しただけの本だったし、
エリザベス・キューブラー・ロスの本がいわんとしていることと
似ているなくらいの感想でフムフムと読んだだけだった。
そしてその次に読んだこの本は、翻訳本ではなくルポルタージュ。
著名人の人の臨死体験の方が信じてもらえやすいということで、俳優や脚本家、元プロレスラーの
臨死体験を集めたものだけど、出版されたのが13年も前。古いな。。
臨死体験中に見えたものを本人の書いたカラーのイラストをまじえて書かれていて、よく聞く
三途の川や色とりどりの花畑、降り注ぐまばゆい光等々を見る人が多いようだった。
こんなもん
死ぬ間際に脳が出す化学物質が引き起こすただの幻覚、幻聴現象だと突っ込まれると
なるほどそう言われるとそうかもなくらいに思いながら読み進めていくと、
木内鶴彦氏の体験談が出てきた。
木内氏は彗星をいくつも発見している人らしく、言われてみたら、キウチって名前がついている
彗星ってあるよなぁくらいで、私にとっては殆どというか、全く馴染みのない人だ。
ある時木内氏は病気になり、病院で重体に陥った時、何度か幽体離脱をしたという。
離脱する前は聴覚が以上に鋭くなり、病室のドアの外で家族が
もう危ないかもしれないと話していることがはっきり聞こえていたらしい。
そして、とうとう身体から意識が抜け出し、自分が心に浮かんだ場所に
瞬間で移動できることに気がついた。
重体を脱して回復してからずっと後で、自分の離脱していた時間に遠くにいる友人達が
何をしていたかを本人達からそれとなく確認すると
自分が見た光景そのまんま過ごしていたので、単なる幻覚ではないと確信したという。
そんな話をすると気がふれたと思われるのを恐れて、自分が幽体離脱して友人達のところへ
行ったとは言えなかったというのがなんかリアルだ。
実際にはこういう体験した人の心情ってそんなもんかもしれないよね。
私だったら大真面目に聴いてあげんのにw
さらに、そんなこんなで離脱中は空間を自在に瞬間で超えることができるというのが
わかった木内氏は、時間も超えられるのだろうかと疑問に思い、次に
自分が子供の頃確かめたかったことを突き止めようとタイムスリップを試みる。
河原で姉と遊んでいたら、背後で誰もいないのに「危ない!」という声が聞こえた次の瞬間
上から大きな石が落ちてきそうなのに気がついた。
とっさに姉を付き飛ばして姉が石に当たらないように助けただけなのに
親には姉を突き飛ばして怪我をさせたというのでこっぴどく叱られたという
大人になっても忘れられない理不尽な想い出が木内氏にはあった。
あの声の主は誰だったのか、本当に声が聞こえたのかを確かめたかったのだ。
河原での過去に瞬間移動しようと試みると
すんなり瞬間でその想い出の河原に移動できた。
見ると子供の頃の自分と姉が遊んでいるのが彼らから少し引いた位置から見える。
すると少年の上あたりにあった大きな石がぐらついて落ちかけていたのが見え・・
とっさに「危ない!」と叫んだのは
実は自分自身=大人になった少年だったのだ(詳細はうろ覚えです、すみません)
・・なんて意外なオチ・・意外じゃないって?w
のび太がドラえもんのタイムマシンに乗って過去に行ったときって
こんな感じで書かれてるよね、まんまだ。
んでもって ドッペルゲンガーってこんな風に時空が曲げられて見えるやつなんですかね。
さらに木内氏の実験はさらに続き、過去にいけたのは分かったけど、未来にも行けるんだろうかと
十数年後くらいの未来を思い浮かべると、瞬間でどこかに移動して、
自分が大勢の前でマイクを持って話をしている姿が見えたらしい。
未来はその場で検証できないからわからなかったけど、実際の十数年後の木内氏は、
幽体離脱した時に見えたまさに同じ場所で同じ色の服装で講演をしていた・・・時空両方とも
瞬間移動できるようですな。
この調子だと多分
地球の最後まで見に行ったんだろうなと想像したけど、この本では書かれてあったのはここまで。
木内さんはその他書けないような(ぶっ飛びすぎて?)色々な体験してきて、その結論としては、
全ては偶然も含めて無駄なく繋がっている所謂「ワンネス」ということ。
この世の出来事はロールプレイングゲームの中で起こっているイベントのようなもので、
自分達はそのRPGの中で困難にぶつかったり回り道をしたり
ダンジョンで彷徨ったりと泣き笑いしながらエンディング目指して進んでいくキャラクター。
レベルやHPが上がるシステムも込みですか?w
そしてそのゲームの外には神のような大いなる存在が
あらかじめプログラミングされたこのRPGの一部始終を見ている・・という表現をしていた。
その大いなる存在が、ちょっとゲームが上手くいかなくなったら
キーっとなってリセットボタンをすぐ押すような短気な性格でないことを祈るばかりですな。。
立花隆『証言・臨死体験』は文藝春秋社から文庫本でも出ています。
立花隆のこの本の中では木内さんの体験談が飛びぬけてインパクトありすぎて、他の人の体験談を
あまり覚えていないのが正直なところです(苦笑)
木内さん個人で本も出しているみたいなので見つけたら読んでみようっと。