有閑堂

オカルト好きのブログ

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ」を読んでみた。

木村という初老というか老年の男性の8年にわたる無農薬無肥料でリンゴを育てるという

世間では不可能とされる夢に挑んだ半生の記録だ。


土壌を素の自然の姿に戻そうとするには年月がかかり、さらにその方法を暗中模索する毎日。

村中から奇異の目で見られ笑いものになり、

何年もリンゴの収穫ができず経済的に困窮していき追い詰められても

信念を貫こうとする(最後は彼の夢の実現イコール家族の夢になっていく)。

けれども試行錯誤してもやれどもやれどもまったく前に進んでいないように感じる。

苦境も持ち前のユーモアで笑い飛ばす木村さんも

経済的に家族を守らなければならない義務と信念との狭間で心は引き裂かれだんだん、

真っ暗な闇に覆われていく。

進退窮まり究極まで追い詰められ

もうダメだと自ら命を絶とうと山の中に入っていったそこに見たものは

人が足を踏み入れたことのない土地に生っていた月明かりに照らされた

野生のリンゴ。。


神様はキャパシティのギリギリまで努力した人にのみ手を差し出すらしい。

木村さんにはこの時 手が差し伸べられたんだろう。


木村さんはその手に正しくつかまり、神様がくれた?ヒントを基に持ち前の

理系の頭脳と研究熱心さでついに無農薬無肥料のリンゴを成功させる。

木村さんのリンゴは美味で腐敗するまでの時間が普通のリンゴよりかなり長いらしい。

そこからも木村さんのリンゴは「奇跡のリンゴ」といわれるんだろう。


木村さんはリンゴの木が心を持っているように大切に扱い人に話すように話しかけ、

感謝する。植物にも心があることを当たり前としている人だし、

また畑で宇宙人に遭遇してUFOが家に来てUFOの船内に連れていかれたことがあると

いう・・実はかなりオカな人なのだw

船内にいた同じように連れてこられたらしき二人の外国人のうちの1人が

UFO特集のTV番組でUFOに連れ去られた人として出ていたと本の中で語っていたが、

この本はあくまでも職業人のドキュメンタリー本で

オカの本じゃないので、酔った木村さんの単なるネタだろうとされていた。

こんな実直なおじいさんが冗談でもこんな

オカ話なんかするだろうかと思うけど、まぁいいかw


リンゴ生産者のドキュメンタリーというよりはスピリチュアル系の本に感じた。

結びは「私の船に乗りなさい」だ。

このフレーズ、木村さんが言ったのを聴くとそんな感じしなかったかもしれないけど

(「プロフェッショナル」見てなかったから)、

なんかほんのり宗教臭がしてあんまりいい感じしないわ。


このご時世ですし、無農薬無肥料の作物は消費者にとっては理想です。

この本だと土壌があるがままの自然に還るまで

10年近くかかるってことだよね・・その間も収入を確保していける農家なんて

どれくらいいるんだろうか。

当たり前になるには今の農業をめぐる環境では現実には難しいかも。

結局そこなんだな・・その船に乗るにも先立つものが要るのね。



夢のないオチになってしまったorz